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記紀・万葉コラム Vol.11皇后、磐之媛命(いわのひめのみこと)の激愛

国思歌の歌碑
磐之媛命陵(奈良市佐紀町)
南面に二重の壕をめぐらす5世紀の前方後円墳。
交通:JR・近鉄奈良駅からバス航空自衛隊下車、徒歩約6分
写真提供:奈良市観光協会

皇后、磐之媛命(いわのひめのみこと)の激愛

室宮山古墳〔室の大墓とも呼ばれる〕(御所市室)全長238mの葛城地方最大の前方後円墳。磐之媛命の父、葛城襲津彦
													 (かつらぎのそつひこ)の墓との説が有力。交通 : JR・近鉄御所駅からバス宮戸橋下車、徒歩約14分(JR御所駅から近鉄御所駅バス停まで徒歩約5分)

古事記下巻では、恋多き仁徳天皇と嫉妬する皇后、磐之媛命の物語が展開します。仁徳天皇が宮中にお召しになった美しい豪族の娘、クロヒメは、皇后の怒りに触れるのを怖がって、吉備国へ戻ろうとします。その船出のときに、天皇が彼女への恋情の歌を詠むと、皇后は、直ちに使いを出し、クロヒメを船から降ろしてしまいました。そのためクロヒメは歩いて帰らねばなりませんでした。また、皇后が、新嘗祭(にいなめさい)の酒宴に使う柏の葉を採るため、宮中を留守にしている間、天皇は異母妹を寵愛します。その噂を聞くや、皇后は、せっかく採取した柏の葉を海に捨ててしまい、宮中へは帰らず、ヌリノミという人の家に滞在されました。天皇が帰りを催促しても無視する皇后。しかし皇后に仕える人たちが機転を利かし、皇后の滞在理由を「ヌリノミが飼う不思議な虫をご覧になるためです」と申し上げ、「一度は這う虫になり、一度は繭になり、一度は飛ぶ鳥になる」と説明します。すると天皇は、「私も見に行こう」と迎えに出向かれ、皇后も機嫌をなおされました。不思議な虫(=蚕)は皇后に献上されました。

奈良市には磐之媛命陵、御所市には皇后の父の墓といわれる室宮山古墳があります。静かに佇む御陵を訪ね、強い自我とプライドを持つ女性を想像してみてはいかがでしょうか。

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