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記紀・万葉コラム Vol.12ササユリに彩られた神武天皇の恋

三枝祭
三枝祭
平安時代から始まったとされるお祭り。黒酒、白酒の神酒を酒罇に盛り、その酒罇の周囲を三輪山に咲き匂う百合の花で飾り、優雅な楽の音とともに神前にお供えします。

ササユリに彩られた神武天皇の恋

率川神社(奈良市本子守町)交通アクセス: JR・近鉄奈良駅からバス本子守町下車すぐ / JR・近鉄奈良駅から徒歩約7分

古事記中巻の冒頭では、伊波礼毘古命(いわれびこのみこと[神武天皇])が、高千穂から天下を安らかに治める地を求め、東征する物語が展開します。熊野から奈良県へは、天から遣わされた八咫烏(やたがらす)の案内で、吉野、宇陀、桜井を平定しながら、畝傍山(うねびやま)のふもとにある橿原の地に入り、ここを都に定められました。

皇位についた神武天皇は、皇后にふさわしい美しい乙女を求めておられたところ、三輪の大物主神(おおものぬしのかみ)の娘の伊須気余理比売(いすけよりひめ)のことをお聞きになります。あるとき、七人の少女が野遊びをしているところに通りがかり、その先頭に立つ大そう美しい娘が伊須気余理比売であることを知り、求婚されました。天皇は、伊須気余理比売の家へ出向き、そこで二人は結ばれます。伊須気余理比売の家は、大神神社の近くを流れる狭井河のほとりにあり、そこにはササユリが多く自生していました。ササユリの元の名は「さい」と言い、地名の由来にもなっています。

伊須気余理比売をお祀りする率川(いさがわ)神社(奈良市)では、毎年6月17日に「三枝祭(さいくさのまつり[別名ゆりまつり])」が行われ、ササユリが捧げられます。また、大神神社(桜井市)にある「ささゆり園」では、今は希少種となったササユリを見ることができます。その楚々とした花姿に古(いにしえ)の恋物語を重ねてみてはいかがでしょうか。

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