古事記の美心記紀・万葉コラム Vol.17

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難航していた国譲りを成功させた立役者、建御雷之男神(タケミカヅチノオノカミ)

中元万燈籠
境内の3000に及ぶ燈籠は、平安末期より、貴族や武士をはじめ広く人々より奉納されたもの。廻廊沿いの釣燈籠の灯影には幻想の世界が現れ、参拝者で賑わいます。8月14・15日と節分の年2回、すべての燈籠に浄火が灯されます。

春日大社

古事記上巻では、国つ神から天つ神に統治権が移る国譲りの物語が展開します。天照大御神(あまてらすおおみかみ)がある日、大国主神(おおくにぬしのかみ)の国造りによって豊かに実る葦原中国(あしはらのなかつくに)をご覧になられ「自分の子に治めさせる」と宣言されます。
 それを知った国つ神たちが、抵抗の様子を示したので、使者が遣わされます。ところが大国主神に懐柔され、何の進展もありません。使者への伝令に送られた雉の女神が殺される騒動まで起き、ついに剣の神、尾羽張神(オハバリノカミ)とその子、建御雷之男神に白羽の矢が立ちます。しかし尾羽張神は安の河の水の流れをせき止め、道を塞いでいるので近づき難く、特別に鹿の神、天迦久神(アメノカクノカミ)が伝令として送られました。命を受けた尾羽張神は、息子を推薦。かくして建御雷之男神は、天から降臨し、大国主神とその息子たちに国譲りを迫ります。大国主神の息子の一人は戦いを挑みましたが、大敗して降参、ついに国譲りが成就します。
 剣の神、雷の神として知られ、武門の信仰篤い建御雷之男神。この神様を、はるか鹿島神宮より御蓋山(奈良公園内)にお迎えしたことに始まるのが春日大社です。建御雷之男神が白い鹿に乗ってきたという伝説など春日大社ならではの神話もあり、鹿は神の使いとして大切にされ、今では奈良公園の象徴となっています。 春日大社では、今年11月の正遷宮(しょうせんぐう)で式年造替が完了します。愛らしい鹿が顔を出す参道を通って、丹ぬりも美しい社殿にお参りされてはいかがでしょうか。

コラムバックナンバー

春日大社

奈良時代のはじめ頃、国家の繁栄と国民の平和を祈念して創建。祭神は武甕槌命(タケミカヅチノミコト)、経津主命(フツヌシノミコト)、天児屋根命(アメノコヤネノミコト)、比売神(ヒメガミ)。経津主命は水を治める神様、天児屋根命、比売神は祭事の神様。※武甕槌命は、建御雷之男神(タケミカヅチノオノカミ)と同一の神。
* 式年造替とは、神殿や御神宝などを造り替え、また修繕を行うことによって、御神威のさらに 若々しく力強いご発揚を願うもの。

奈良市春日野町160
0742-22-7788
JR・近鉄「奈良駅」からバス「春日大社本殿」下車すぐ

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