古事記の美心記紀・万葉コラム Vol.18

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うるわしき秋、阿遅志貴高日子根神(あぢしきたかひこねのかみ)の坐ます地へ

古事記の国譲りの伝承に登場する阿遅志貴高日子根神は、大国主神(おおくにぬしのかみ)と多紀理毗売命(たきりびめのみこと)との間に生まれた神です。同父母妹には美しい下照比売(したてるひめ)がおり、国譲りを迫るべく高天原から遣わされた天若日子(あめのわかひこ)が恋に落ち、結婚した相手として語られます。地上の生活に親しんだ天若日子は、高天原に背いたために矢に射られて亡くなります。その葬儀に参列した阿遅志貴高日子根神は、天若日子とそっくりであったため、間違えられ、天若日子の父やその妻、みなに泣きすがりつかれます。これに対し、阿遅志貴高日子根神は「けがらわしい死人と一緒にするな」と怒り、剣を抜き喪屋を破壊して飛び去ってしまいます。
 残った高比売命(たかひめのみこと)(下照比売)は、間違われた兄神の御名を明らかにするために歌うのでした。
 阿遅志貴高日子根神は『迦毛大御神(かものおおみかみ)』という別名を持っており、尊い大御神の名で呼ばれる数少ない神の一柱です。
 この神を主祭神とする 高鴨神社(奈良県御所市)は、葛城山の麓、天孫降臨伝説が残る地にあり、古代の大豪族、鴨族が守護神として斎き祀った社です。全国各地にある鴨社は、この地に源を発するもので、高鴨神社は、鴨神社の総社としても知られています。
 古き社が、紅葉の紅色に彩られ、より一層趣を深める秋。奥深い神話を胸に葛城古道の散策とともに、参拝されてはいかがでしょうか。

秋季大祭

※ この写真はスローシャッターにより撮影されたもので、実際の見え方とは異なります。

毎年10月11日、氏子が「ススキ提灯」と呼ばれる、竹製の支柱に横木を通し、高張提灯を組み立てたものを奉納する秋祭り。葛城・金剛山麓ではポピュラーな行事で、地域によって提灯の数などが異なります。高鴨神社の場合、提灯は、一基に付き上に二張り、下に四張り。各大字(地域)から神社を目指して集まり、拝殿の両脇に掲げ、その灯りのもとで祭典が行われます。

コラムバックナンバー

【高鴨神社(たかかもじんじゃ)】

主祭神は、阿遅志貴高日子根命またの名を迦毛之大御神(かものおおみかみ)。下照姫命(したてるひめのみこと)、天稚彦命(あめわかひこのみこと)も配祀。本殿は室町時代の三間社流造の建物で、国の重要文化財に指定されています。

(問)0745-66-0609(所)御所市鴨神1110(P)あり(無料)(交) 近鉄御所駅からバス風の森下車、徒歩約20分
※JR御所駅から近鉄御所駅バス停まで徒歩約4分
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