古事記の美心記紀・万葉コラム Vol.20

  • 當麻山口神社
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美しくもはかない花に象徴される女神、木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)

 国譲りの後、下界を治めるために降臨されたのは、天照大御神(あまてらすおおみかみ)の孫の邇邇芸命(ににぎのみこと)でした。邇邇芸命はある日、美しい乙女、木花之佐久夜毘売と出会い、求婚をします。
 木花之佐久夜毘売の父親、大山津見神(おおやまつみのかみ)は大変喜び、たくさんの贈り物と、姉である石長比売(いわながひめ)も添えて、送り出しました。ところが、石長比売は、容姿が優れなかったため、送り返されました。これに対して大山津見神は、「石長比売は、天つ神の御子の命が岩のように不変のものになるよう、また木花之佐久夜毘売は、木の花が咲くように華やかに繁栄することを祈って、たてまつりましたが、石長比売を返されましたので、天つ神の御子のご寿命は木の花のようにはかなく散ることでしょう」と言いました。
 このため、後世の天皇たちの命は限りがあるようになったということです。また、一夜の契りで身ごもったことに「自分の子でなく国つ神の子ではないか」と邇邇芸命に疑われ、木花之佐久夜毘売は、天つ神の子である証明として、出入口のない産屋に火を放ち、その中で無事に出産しました。
 奈良県葛城市、二上山の麓には、後の天皇の運命を決めた大山津見神、邇邇芸命、木花之佐久夜毘売をお祀りする當麻山口神社があります。
 春には、300年以上の歴史を持つ御田植祭りも行われます。万葉の時代からの伝説や歴史が伝わる當麻の里に、静かにたたずむ古社を訪れてはいかがでしょうか。

祈年祭と御田植祭り

祈年祭と御田植祭り

毎年4月23日に行われる、春の例祭。五穀豊穣を祈り、江戸時代から300年以上続いているといわれています。御田植祭りは、境内に設けられた斎場で、牛に扮する人、田植えをする人などが農作業の所作を行います。子どもたちとともに二上山岳のぼり、餅まきも行われます。

コラムバックナンバー

【當麻山口神社(たいまやまぐちじんじゃ)】

當麻山口神社

祭神
 大山祇命(おおやまづみのみこと)
 天津日高日子番能邇邇芸命(あまつひこひこほのににぎのみこと)
 木花之佐久夜毘売(このはなのさくやびめ)

(問)0745-48-2214 (所)葛城市當麻1081 (P) あり(無料)(交)近鉄当麻寺駅から徒歩約30分